小耳症、口唇口蓋裂の変形治療
小耳症、口唇口蓋裂の変形治療
小耳症は生まれながらに耳介が小さい小児疾患の一つです。10歳頃に3本の肋軟骨を使ってフレームワークを作り、側頭皮下に埋入する耳介形成術とその約半年後に埋めたフレームワークを挙上する手術(耳介挙上術)を行い、健側と同じような耳介を作ります。この二つの手術は通常、全身麻酔下に行いますが、その後数年経過して耳介の変形を来したり、耳介の立ち上がりが不十分になってきた場合は追加の手術を行って、形を良くしたり、立ち上がりを良くすることでマスクをかけられるようにしたり、メガネをかけられるように局所麻酔の手術で修正することができます。また、軟骨を細い医療用ワイヤで止めてフレームワークを作りますが、このワイヤが一部皮膚から露出することがあり、早めにワイヤを抜くことで軟骨の変形を防ぐことができます。この処置は外来でできます。
口唇口蓋裂は生後3ヶ月くらいに口唇形成術を行い、また口蓋裂を合併していると口蓋形成も行う必要があります。これらの手術により見た目の口唇はきれいに形成されますが、鼻の変形が残ることがよくあります。これは元々の鼻の軟骨の変形があるため、口唇をきれいに手術しても鼻の形態が変形を残すことがあります。この様な鼻の変形に対して、鼻の生長が落ち着いてから変形を治す手術を行います。